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環境関連情報

有害物質規制最前線#10

バーゼル条約

情報発信日:2006-05-01

バーゼル条約とは

バーゼル条約とは正式名称「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」とよばれ、1989年3月、スイスのバーゼルにおいて、「一定の廃棄物の国境を越える移動等の規制について国際的な枠組み及び手続等」が規定されました(1992年5月5日効力発生。2005年2月現在締約国数は163か国、及び、EC)。

バーゼル条約の背景

ややロッテルダム条約に似ていますが、1970〜1980年代にEUなどの先進国が、自国の有害廃棄物をアフリカなどの途上国に輸出し放置したことによって環境汚染を生じさせたことが問題となりました。代表的な事件としては、1988年にナイジェリアのココ港付近の船荷置き場にイタリアから大量の有害 廃棄物が搬入、投棄されていたことが発覚しました。有害廃棄物とは、たとえば医療廃棄物、化学工場の廃棄物、放射性廃棄物などヒトの健康に有害な物質を含む様々な廃棄物を意味します。一方では途上国では技術的、施設的な問題で処理できない有害廃棄物であっても先進国においてリサイクル資源として利用が可能な場合もあります。この様な状況に対して、OECD(経済協力開発機構)及び国連環境計画(UNEP)で対応が検討され、1989年3月にスイスのバーゼルにおいて、一定の廃棄物の国境を越える移動等の規制について国際的な枠組み及び手続等を規定した「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」が作成されました(1992年5月5日効力発生。2006年3月現在締約国数は167か国、1機関(EC))。

バーゼル条約概要

バーゼル条約の本条約は、前文と本文29ヶ条、末文及び9の附属書(ただし、附属書VIIについては未発効)からなっており、その主な規定を以下に示します。

該当国内法

バーゼル条約に対応するための国内法としては「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」及び「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」が1993年、第125国会で成立し。国内法の所管省庁である環境庁、厚生省、通産省(当時)において関係政省令等の整備を完了していますので、該当する場合には国内法を参照する必要があります。

所感

江戸時代までのわが国には、廃棄物、いわゆるゴミは存在しなかったといわれています。プラスチックなど人工の物質がなく、すべての生活が天然資源より得られる素材から営まれていた時代ですし、資源の乏しい時代でしたので、すべてのモノが大切に扱われ、上手にリサイクルされ、最後は自然に還されたのでしょう。これが究極のリサイクルだと思われますが、現代では産業が高度に発達したため人工物が生活のなかに溢れ、捨てるのに困る時代になっています。個人の生活でのゴミの不法投棄問題、地方自治体での最終処分場問題、果てはバーゼル条約に至る国境を越えての処分問題まで拡大し、大きな社会問題になっています。とくに動植物にとって有害な廃棄物の処理には膨大な資金が必要であり、今後は廃棄物をできるだけ出さない、リサイクルが容易といった、環境に配慮したモノ作りが我々メーカに求められることになると思われます。

引用・出典

注意

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