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ダイオキシンについて

情報発信日:2004-06-17

ダイオキシンとは

ダイオキシンは、ゴミなどを焼却したとき、有機塩素化合物を生成過程で、意図せずに発生する化学物質であり、化学的には、ポリ塩化ジベンゾバラジオキシン(PCDD)の総称です。この猛毒物質は、ベトナム戦争での米軍の枯葉剤で使用され、当時大きな話題となった有名な物質ですが、その後、あまり話題となっていませんでした。しかし、上記のとおり、焼却により発生するダイオキシンを原因とする健康不良が徐々に取りざたされて、大きな社会問題となってきました。

ダイオキシンの毒性

ダイオキシンとはPCDDであることは前述しましたが、実際には75種類の異性体と、135種類の異性体をもつポリ塩化ジベンゾフランを含む場合もあります。このなかでも、とくに毒性の強いものとして、2,3,7,8-TCDDがあげられます。この猛毒はフグ毒のテトロドトキシンの10倍、青酸カリの1万倍、サリンの10倍の毒性をもち、合成物質のなかでも最強の毒物とされていて、1gで1,000人程度の殺傷力があるといわれています。化学的な構造は以下のとおりです。

2,3,7,8-TCDDは、水への溶解度がきわめて低く、有機溶媒に対しても溶解しにくい物質です。すなわち、非常に安定した化合物であり、分解しにくい物質であるともいえます。あえていえば、310nmの紫外線(かなり強力な殺菌線)により分解が可能です。ダイオキシン濃度が冬に高く、夏に低いのもこの理由によるといわれています。そのため、土壌に蓄積したダイオキシンは、移動せずにずっと残ってしまい、雨とともに流れ、魚介類に蓄積され、食物連鎖により人間に蓄積されることになります。

ダイオキシン発生のメカニズム

なぜダイオキシンが発生するかは、現状、明確な化学反応式が解明されていません。上記の枯葉剤についても、製造過程の副生成物として含まれていたもので、現在のダイオキシン発生についても、900度以下の温度、とくに200度以上温度域で塩ビなどが焼却されると、鉛、銅などの重金属が触媒となって合成されることが知られていますが、直接に塩ビなどの塩素化合物との因果関係については不明です。焼却に際して、900度以上の高温で焼却するとダイオキシンの発生は少なく、対策の鍵はここにあります。しかし、日本の場合、不幸にも家庭用焼却炉など低温での焼却装置が非常に多く存在するため、ダイオキシン汚染の最悪国となってしまいました。ゴミ焼却場は、ドイツの53設備に対して40倍も多い1854設備が存在し、世界のゴミ焼却機の80%が日本にあるといわれています。

注意

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