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環境関連情報

小型家電リサイクル法施行令等の公布

2013年3月6日公布

情報発信日:2013-04-19

はじめに

2013年3月6日付けで環境省は「小型家電リサイクル法の円滑かつ適切な施行を行うため、本法に係る施行令等(政令2件、省令3件、告示1件)が本日公布されました。また、これに併せ、本法の施行に係る各種ガイドライン等も策定いたしましたので、お知らせいたします」と発表し、2013年4月1日付けで施行されました。

従来の家電リサイクル法では、対象品目が①テレビ、②エアコン、③冷蔵庫・冷凍庫、④洗濯機・乾燥機の家電4品目で、主たる目的は大型家電の不法投棄を防止する意味合いが色濃くありました。

今回対象となる小型家電はパソコン、デジタルカメラ、ゲーム機、携帯電話など、ほとんどの小型家電製品が対象となり、回収の目的は「都市鉱山」とも呼ばれる内部に使用されている金、銀、銅、白金、パラジウムなど希少な資源の回収にあるようです。

ただし、実際の回収は市町村など地方自治体の裁量に負う部分が多く、メーカールートでの回収も並行して行われるようですが、身近な問題ですので、概要を解説したいと思います。

 

小型家電リサイクル法の概要

(以下、環境省発表資料より)

1.公布の背景

携帯電話、ゲーム機などの小型家電のリサイクルを促進することを目的として、「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」(平成24年法律第57号。以下「小型家電リサイクル法」という。)が平成24年8月10日に公布されました。本法では、事業者からの申請に基づき、市町村から継続して小型家電を引き取る等により確実に適正なリサイクルを行うための事業計画を、大臣が認定することとなります。

2.施行令等の内容

小型家電リサイクル法の公布を踏まえて、本法に係る施行令等(政令2件、省令3件、告示1件)が本日公布されました。施行令等の主な内容は、以下のとおりです(参照:資料1)。

(1) 政令

(イ)「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律の施行期日を定める政令」 (参照:資料2) 小型家電リサイクル法の施行期日を平成25年4月1日とするもの。

(ロ)「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律施行令」 (参照:資料3-1資料3-2) 制度対象品目として、携帯電話端末及びPHS端末、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ等、計28分類を定めるもの。

(2) 省令

(イ) 「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律施行規則」 (参照:資料4) 小型家電リサイクルリサイクル法に基づき事業計画を大臣が認定する際の基準等を定めるもの。

(ロ)「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律施行令第四条に規定する委託の基準に関する省令」(参照:資料5-1資料5-2) 使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律施行令第四条に規定する委託 の基準を定めるもの。

(ハ)「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(参照:資料6-1資料6-2) 産業廃棄物処理施設の設置者に係る一般廃棄物処理施設の設置についての特例の対象となる一般廃棄物に、使用済小型電子機器等を追加するもの。

3.告示

「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する基本方針」 (参照:資料7)

小型家電リサイクル法第3条第1項の規定に基づき基本方針を定めるもの。

 

使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律施行令等の概要

(以下、環境省発表資料より)

1.制度対象品目 <政令>

(1) 電話機、ファクシミリ装置その他の有線通信機械器具
(2) 携帯電話端末、PHS端末その他の無線通信機械器具
(3) ラジオ受信機及びテレビジョン受信機(特定家庭用機器再商品化法施行令(平成年政令第378号)
  第1条2号に掲げるテレビジョン受信機を除く
(4) デジタルカメラ、ビデオカメラ、DVDレコーダーその他の映像用機械器具
(5) デジタルオーディオプレ―ヤー、ステレオセットその他の電気音響機械器具
(6) パーソナルコンピュータ
(7) 磁気ディスク装置、光ディスク装置その他の記憶装置
(8) プリンターその他の印刷装置
(9) ディスプレイその他の表示装置
(10)電子書籍端末
(11) 電動ミシン
(12) 電気ラインダー、電気ドリルその他の電動工具
(13) 電子式卓上計算機その他の事務用電気機械器具
(14) ヘルスメーターその他の計量用又は測定用の電気機械器具
(15) 電動式吸入器その他の医療用電気機械器具
(16) フィルムカメラ
(17) ジャー炊飯器、電子レンジその他の台所用電気機械器具(特定家庭用機器再商品化法施行令
  第1条3号に掲げる電気冷蔵庫及び電気冷凍庫を除く)
(18) 扇風機、電気除湿器その他の空調用電気機械器具(特定家庭用機器再商品化法施行令
  第1条第1号に掲げるユニット形エアコンディショナーを除く)
(19) 電気アイロン、電気掃除機その他衣料用または衛生用の電気機械器具(特定家庭用機器再商品化法施行令
  第1条第4号に掲げる電気洗濯機及び衣類乾燥機を除く。)
(20) 電気こたつ、電気ストーブその他の保温用電気機械器具。
(21) ヘアドライヤー、電気かみそりその他の理容用電気機械器具。
(22) 電気マッサージ器
(23) ランニングマシンその他の運動用電気機械器具
(24) 電気芝刈り機その他の園芸用電気機械器具
(25) 蛍光灯器具その他の電気照明器具
(26) 電子時計及び電気時計
(27) 電子楽器及び電気楽器
(28) ゲーム機その他の電子玩具及び電動式玩具

以上28分類

2.再資源化事業計画の認定基準 <省令>

(1) 再資源化事業の内容の基準
(2) 区域の基準
(3) 申請者及び委託先の者の能力及び施設の基準

各種ガイドラインは、以下のとおり。

(1)「使用済小型電子機器等の回収に係るガイドライン」
  市町村や小売業者による小型家電回収の方法及び注意点等
(2)「市町村-認定事業者の契約に係るガイドライン」
  市町村と認定事業者間での契約について、準備方法や記載事項等
(3)「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律に係る再資源化事業計画の認定申請の手引き」
  大臣認定の申請に必要な手続き、認定後に適用される規定等
(4)「小型家電認定事業者マーク及び小型家電回収市町村マーク使用規定」
  小型家電認定事業者マーク及び小型家電回収市町村マークの使用に関する必要事項

施行期日は、2013年4月1日。

小型家電リサイクル法と都市鉱山について

今回の小型家電リサイクル法が施行された主な目的は冒頭にも述べましたが、小型家電製品には金、銀、銅、白金、パラジウムなどの貴重な金属が多く使用されていますが、従来は小型家電製品の多くは不燃ゴミとして埋め立て処分されたり、メーカー回収が面倒な手続きや費用が発生するなどの問題で家庭内に保管されたままにされたり、上手くリサイクルが進まない状況にありました。

しかし、政府の試算によりますと「現在、日本全体で年間に廃棄される小型家電は約65.1万トンと推定されています。その中に含まれている有用な金属などの量は約27.9万トン、金額にして約844億円分にも上るといわれます。そのため、使用済み小型家電は、都市にある鉱山という意味で、「都市鉱山」といわれているのです。推計ですが、現在使用中の製品も含めて、日本国内の「都市鉱山」には、金は6800トン(世界の埋蔵量の約16%)、銀は6万トン(世界の埋蔵量の約22%)、リチウムは15万トン、プラチナは2500トンが眠っているとの試算もあります」となり、膨大な希少な資源がリサイクルされずに眠っていることになります。

出所:政府が独立行政法人物質・材料研究機構の「元素別の年間消費量・埋蔵量等の比較資料」(平成20年1月11日発表)をもとに作成

この都市鉱山――使用済み小型家電の適切なリサイクルには、次のようなメリットがあります。

(1) 金や銅などの有用金属が国内で回収されて再資源化
(2) 有害物質(鉛など)を含む小型家電の適正処理
(3) 廃棄物の量が削減され、ごみの埋立地である最終処分場を延命化

 

まとめ

従来、使用済みになった家電のリサイクルは、(1)テレビ、(2)エアコン、(3)冷蔵庫・冷凍庫、(4)洗濯機・乾燥機といった家電4品目に限っては「家電リサイクル法」に基づいて進められてきました。

今回のこれらに続いて新たに始まる「小型家電リサイクル法」は、携帯電話やデジタルカメラ、ゲーム機、時計、炊飯器や電子レンジ、ドライヤー、扇風機など、これまでの法律で対象となっていなかった、ほぼ全ての家電製品を対象として、リサイクルを進めていくための法律です。

家電リサイクル法では、対象品目を製造したメーカーにリサイクルを義務づけており、消費者が使用済みになった対象品目を引き渡す方法は、全国どこでも同じです。一方、小型家電リサイクル法では、市町村が使用済み小型家電の回収を行うことになっており、具体的にどの品目について回収を実施するか、また、どのように使用済みの小型家電を回収するかは、それぞれの市町村が決定することになる点が異なります。

平成25年4月1日以降、「小型家電リサイクル法」に基づき、回収体制の整備ができた市町村から、順次、使用済み小型家電の回収が始まります。

回収方法には、公共施設やスーパー・家電販売店、学校などに専用の「回収ボックス」を設ける方法や、町内の資源ごみ集積所に「回収コンテナ」を設置して決められた収集日に回収する方法などがあります。携帯電話のように個人情報が含まれるものもあるため、回収ボックスに施錠したりフタを設置したり、指導員立ち会いのもと回収を行うなどの対策を講じることによって盗難を防止することとしています。

対象品目や回収方法に関する詳しい情報は、各市町村により異なりますので、自分が居住する市町村に直接問い合わせてください。

(注意)
(1) 携帯電話は、携帯電話の販売店でも回収しています。
(2)パソコンは資源有効利用促進法のルールに従ってメーカーもしくはパソコン3R推進協会も回収しています。
(3)小型家電に限らず、不要になった家電製品を処分するときは、廃棄物処理法の許可を得てない無許可の不用
  品回収業者には絶対に渡さないようにしてください。不法な廃棄処理がなされる可能性が高いです。

引用・参照情報

注意

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